相続解決事例

solved case

No.36 海外でサイン証明ができない相続を相続放棄で解決(東京都)

ご相談内容

ご依頼者は東京の女性でした。

  • 被相続人:父親・母親
  • 相 続 人:長女A(依頼者)、長男A
    、     二男B(某国に不法滞在中)
  • 遺  産:不動産、預金

ご相談があったとき、Aさんのご両親が亡くなってから既に20年以上が経過していました。二男のBさんが海外で行方不明だったために、ずっと手続ができなかったそうです。

しかし最近になって海外の二男から数十年ぶりに連絡が来たことで、亡ご両親の相続手続を進められるようになりました。

ただ一つ問題があり、二男のBさんは海外でビザが切れて某国に不法滞在中でした。この状態で相続を進めるにあたって、Aさんは当センターのホームページから、ここならなんとかしてくれるのではないかと、東京からご相談をいただいた次第でした。

解決当センターが行ったこと

まず、行政書士の職務権限で戸籍謄本を収集して、相続関係説明図を作成しました。確かに戸籍の附票では、Bさんは海外に出国中となっていました。

次に、Bさんの処理について検討しました。Bさんは相続分は一切いらないと国際電話で伝えてくれていて、後は手続だけの問題でした。

そもそも相続人が海外に在住している場合、遺産分割協議書に実印を押印できないため、現地の日本大使館で大使館員の面前で署名(サイン証明)することで印鑑証明の代わりとすることができます。

しかし現地で不法滞在中のBさんは、日本大使館に出向くことができず、サイン証明で相続手続を行うことは不可能でした。大使館に出頭することもお勧めしましたが、本人からは拒否されました。

そこで日本国内で相続放棄の申立書を準備して、これを国際郵便でBさんに送り、Bさんにご署名のうえで直接日本の管轄裁判所に郵送してもらう方法で相続放棄の申立を行いました。

申立書はご両親それぞれのものを用意して、時間はかかりましたが、無事相続放棄を認めてもらうことができました。

次に相続放棄の証明書を取得し、残りのお二人で遺産分割協議を行いました。遺産分割協議成立後はこれをもって不動産及び預金の名義変更を行い、無事手続を終わらせることができました。

コメント

サイン証明のデメリットは、わざわざ大使館に行かなければならないことです。フィリピンなどの島国やアメリカなどの広大な国に住んでいる方は、大使館に行くのも一苦労になります。また新型コロナ感染症などで長距離の移動もしづらく、サイン証明では手続が進まないケースも増えています。

海外からの相続放棄は、きちんと準備さえすればどの国からでも問題なく申立を行うことができます。これまでアメリカ、UAEなどで処理実績があります。お困りの方は当センターまでいつでもご相談ください。

同じような問題を抱えている方、お気軽にお問い合わせください。
この解決事例に該当する相続手続サポートの詳細・料金はこちらです。

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