ご相談内容
ご依頼者は小山市の男性Aさんでした。
- 依 頼 人:60代男性A(前婚及び後婚の子あり)
- 受 遺 者:前婚の子BC、後婚の子D
- 遺 産:不動産、預金
当センターに遺言書作成のご相談があった時点で、Aさんは前妻とも後妻とも離婚されており、余命宣告されて病院に入院中の状態でした。
財産としてはほとんど自宅しかなく、前妻の長男のBさんが働かずにそこで暮らしている状態でした。二男のCさんは実家を出てほとんど音信不通の状態で、後妻との長女Dさんはお母様と市内の市営住宅に暮らしているとのことでした。
このような家族関係でしたが、BさんとCさんにはこれまでかなり経済的な援助をしてきたが、Dさんには何もしてあげていないので、遺言書でDさんに多く財産を遺してあげたいというのがAさんのご希望でした。
解決当センターが行ったこと
まず病院で、Aさんのご希望を詳しくヒアリングしました。Aさんの主な財産は現在Bさんが住むご自宅の不動産しかなかったため、Aさんは自分の死後Bさんを退去させ、この不動産を売却してDさんに多くその代金を分配してほしいとご希望されておりました。そこでこちらからAさんに質問を行い、詳細な内容を詰めていきました。
また入院中のAさんに代わって行政書士が戸籍謄本や登記事項証明書、固定資産評価証明書など、遺言の公証手続に必要な書類の収集を代行しました。印鑑証明書についても委任状をいただき、実印の代理登録及び印鑑証明書の取得を行いました。
必要書類が全て揃ったところで文案を作成し、Aさんに確認してもらったうえで公証役場に代理申請を行いました。Aさんは病院から出られないため、公証人と打合せのうえ、病院に公証人を連れて行って公正証書の作成を行いました。Aさんは公正証書の作成が終わってほっとしたようでした。
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それから4ヶ月後、Aさんは亡くなりました。Aさんの死後すぐ、遺言執行者である行政書士から子供さん3人にご連絡を差し上げました。Aさんは遺言書を作成したことを誰にも話していなかったため、遺言書の内容及び執行をこちらで行うことを丁寧にご説明しました。
遺言書に従えば自宅を退去しなければならないBさんは、この内容に反感を抱いたようでした。しかし遺言書には逆らえません。時間はかかりましたがそれから数ヶ月で、Bさんには自宅を退去してもらうことができました。
同時に当センター協力の不動産業者数社に声をかけ、不動産の売却先を探しました。しばらくすると金額的に納得できる条件の売却先が見つかったため、遺言執行者として売買契約までこちらで行いました。その後売却代金から遺言執行費用、これまでにかかった経費などを精算したうえで、残ったお金について遺言書で指定された通りの割合で3人に分配しました。
コメント
Bさんが遺産の不動産に住んでいたため、Dさんとそのお母様は不動産を売却してお金に換えることができるか心配していましたが、こちらで手を尽くしてBさんに退去してもらい、最終的に多く遺産を受け取ることができて喜んでくれました。亡きAさんのご遺志にも添えて、本当に嬉しく思いました。
遺言執行の手続は、亡遺言者の遺志を尊重して、できるだけ円満に進める必要があります。当センターでは既に数えきれない遺言執行を行った実績があります。遺言書作成をご検討されている方は死後の遺言執行まで含めて当センターでお引き受けいたしますので、いつでも当センターまでご相談ください。