ご相談内容
ご依頼者は関東某県の女性Aさんでした。当センターが他の事務所では扱えない、問題のある相続を得意としていることをホームページから拝見され、遠方からご依頼をいただきました。
- 被相続人:母親(関東某県)
- 相 続 人:長女A(依頼者)
、 長男B(母親を介護疲れで殺害、拘置中)
- 遺 産:土地・建物、預金、株式等
被相続人はAさんのお母様でしたが、かなり前から寝たきりで同居されていた長男のBさんがお母様の面倒をみておられました。しかしその介護疲れからお母様を手にかけてしまい、現在拘置所に拘置中でした。
まだBさんの公判は始まっておりませんでしたが、不動産評価も預貯金、株式もかなりの金額になり、Aさんが計算しただけでも相続税の申告が必要だったため、問題のある相続を得意とする当センターにご依頼いただきました。
解決当センターが行ったこと
まず行政書士の職務権限で戸籍謄本を収集して、相続関係説明図を作成しました。すると相続人は2名で間違いなかったため、相続税の本来の控除額は4,200万円であることが確認できました。
同時に相続税申告用の遺産資料収集を進めていきました。相続税申告では各金融機関の残高証明書や取引履歴などの資料を税理士が必要とするため、当センターでは行政書士が収集を担当します。これらを揃えたところで、遺産総額は1億円近いことが確認できました。
次にBさんについてですが、Bさんは公判前とはいえ被相続人を殺害したことは認めていましたので、相続人欠格事由に該当する案件でした。しかし当センター協力の弁護士に確認したところ、欠格事由に該当することを証明するには判決の確定正本が必要でした。まだ公判日程も決まっていない状況では、判決の確定はかなり先になることが予測されました。
そこで行政書士が判決確定正本に代わって、相続人欠格事由証明書を作成し、Aさんと一緒にBさんが拘置されている拘置所に面会に行って書類への署名押印をお願いしました。この書類は自ら欠格事由に該当することを証明する書類で、判決確定前でも署名と拘置所長の証明をいただければ有効になります。
また相続税申告では、事件の現場となった被相続人名義の不動産について、協力の不動産鑑定士を使って評価減を行って1千万円以上の評価をほぼ0にしました。ただBさんが相続人欠格事由に該当する場合、控除額も利用できなくなるため、相続人控除は1,200万円ではなく、600万円×1名で3,600万円の控除額で計算して想像税申告書を作成しました。
遺産の名義変更は行政書士が代行し、全てAさんに名義変更を行いました。ただAさんはBさんのご苦労、苦しみをご理解されていたため、Bさんの奥様に本来の法定相続分を今後数年かけて贈与でお渡ししたいとのことでした。それはAさんにお任せして、当センターの業務は終了しました。
コメント
亡くなられたお母様はもちろん、介護疲れから過ちを犯してしまったBさんも本当に気の毒でした。お母様については心よりご冥福をお祈りいたします。
拘置所や刑務所に収監中の相続人がいるケースなど、手続に問題がある場合でも当センターでほとんどは解決できます。お困りの方はいつでも当センターまでご相談ください。できる限りお力になります。