ご相談内容
ご依頼者は野木町の女性Aさんでした。この件は、被相続人の生前の財産管理から、死後の遺産相続手続まで6年間かけて全てサポートさせていただきました。
- 本 人:父親(認知症で入所・安中市)
- 依 頼 者:二女A(野木町在住)
- 関 係 者:甥B(亡長女の子・安中市在住)
- 財 産:預金(ほとんどなし)
Aさんからご相談をいただいたとき、まだお父様はご健在で、群馬県の安中市の施設にいらっしゃいました。ただAさんの亡姉の長男であるBさんが、お父様の通帳を全て持って行ってしまい、勝手に遣いこんでいるそうでした。
お父様の施設の入居費用まで遣いこんでいるらしく、施設側から支払いの督促がAさんに届いており、今後どうすればいいのか分からず、当センターにサポートをご依頼されました。
解決当センターが行ったこと
まず、お父様には成年後見人を付けるべきだとアドバイスしました。お父様は認知症で判断能力を失っていましたから、後見人をつければBさんが預金を遣いこむことはできなくなります。
次にAさんに同行してお父様の口座がある安中市の銀行に伺いました。そこで事情をご説明して、お父様に後見人が選任されるまで口座を凍結してもらいたいとお願いしました。お父様が認知症で施設に入っていることは事実ですから、銀行はすぐお父様の口座を凍結してくれました。
それから当センターにて、家庭裁判所への後見申立をサポートしました。その後数ヶ月して、無事にAさんがお父様の成年後見人に選任されました。
これでお父様の通帳からお金を遣いこまれることはなくなりましたが、Aさんが後見人として通帳を調べてみると、お父様の口座にはたった10万円程度しか残っていませんでした。それでも年金収入と施設の支払から収支を計算すると、毎月5万円以上残るようになりました。
ここでまた問題が一つ発覚しました。お父様は安中市に先祖代々の大きな墓地を持っていましたが、Aさんの亡姉やBさんは、墓石業者と組んで、お父様名義で勝手にその墓地を切り分けて、墓苑として分譲していたのです。墓苑の分譲経営は一般人にはできないため、これは墓地埋葬法違反の行為でしたが、既に分譲してしまった部分はどうしようもありません。家庭裁判所には現状を報告して、これ以上違法行為を行わないように差し止めるしかありませんでした。
ただ墓石業者が依頼した弁護士からこれに対して損害賠償請求がありました。しかしそちらの行為自体が違法行為だと指摘のうえ、家庭裁判所からの指示だと内容証明郵便にて伝えると、それで諦めたようでした。ここまでのサポートを行い、いったん当センターの業務は終わりました。
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それから5年ほど経って、Aさんからお父様がお亡くなりになったというご連絡をいただきました。
この5年間で被相続人であるお父様の口座には約300万円が貯まっていました。しかしこの遺産を解約するにはBさんを探し出して署名押印をもらわなければなりません。そこで、あらためてお父様の遺産相続についてのご依頼をいただきました。
まずは職務権限で戸籍謄本を収集して、相続関係説明図を作成しました。するとBさんは、安中市内のアパートに住民票を置いていることが分かりました。
そこで当センターからBさん宛に、相続発生をお伝えするお手紙をお送りしました。しかしそのお手紙は宛先不明で戻ってきてしまったため、Bさんは実際にはそこに住んでいないことが分かりました。アパートの管理会社にも確認したところ、Bさんは数年前にそこを引き払っていました。
Bさんには離婚した妻子もいましたが、こちらに連絡を取っても居場所は確認できませんでした。そのためBさんを行方不明者として、不在者財産管理人の選任申立を行いました。
その後、財産管理人には当センターの行政書士が選任されましたので、家庭裁判所の許可を得て、300万円の遺産は全てAさんが相続する内容の遺産分割協議書に署名押印を行いました。
これでやっと遺産相続の手続も終わり、Aさんが300万円の預金を相続することができました。
コメント
Aさんとはお父様の生前から6年以上の付き合いになりました。
ただ当センターのサポートにより、最初ほとんど無くなってしまった預金が300万円確保でき、当センターの費用や葬儀費用などを支払ってもAさんの手元に200万円以上残すことができまして、本当に良かったと思います。Aさんからも本当に感謝いただきました。
(Aさんの感謝の声はこちら)
被相続人の生前に、身内による財産の遣いこみが問題になることは良くあります。重要なのはこれ以上の遣いこみをストップすることです。後見人を付けることで財産の遣いこみは解決できますので、もしこのような問題でお困りの方がいらっしゃいましたらできる限りお力になりますので、いつでも当センターまでご相談ください。