相続解決事例

solved case

No.15 遺言書の不備で名義変更ができない建物の相続を解決(小山市)

ご相談内容

ご依頼者は小山市の女性でした。

  • 被相続人:夫
  • 相 続 人:妻A(依頼者)、前妻の子BC
  • 遺  産:建物(自宅・未登記)

聞けば、数年前に死去したAさんの亡夫には前婚の子供がいたため、司法書士に頼んで生前に遺言書を公正証書で作成していたのだそうです。

Aさんは、亡夫の死後、ほとんどの遺産の名義変更をその遺言公正証書で行いました。

しかしこの遺言書には不備がありました。Aさんの住むご自宅も亡夫の遺産でしたが、新築時に登記しておらず、かつ遺言書に必要な条項が入っていなかったため、遺言執行で建物の名義変更ができなかったというのです。

Aさんはどうすればいいか分からず、そのまま何年も経ってしまったという経緯でした。

解決当センターが行ったこと

これは単純な遺言書作成時のミスです。しかし今更どうしようもありません。遺言書に記載がない以上、もともと遺言書はないものとして、通常の手続で相続を進めるしかありませんでした。

まず行政書士の職務権限で戸籍謄本を収集し、相続人を確定しました。やはり前妻の子供のBさん、Cさんに協力いただく必要がありました。

そこで未登記建物について、Aさんが相続する内容で遺産分割協議書を当センターで作成し、幸いBさん、Cさんとは連絡が取れる状態だったため、Aさんからお二人にご署名・押印をお願いしてもらいました。

幸運だったのは、BさんCさんが遺留分のことを持ち出さことなく、気持ちよく印鑑を押してくれたことです。遺留分請求があったときの対策も考えていましたが、これで一番の問題がクリアできました。

次に未登記の建物を法務局に登記する必要がありました。これを表題登記と呼びますが、これは土地家屋調査士の業務になります。

当センターの土地家屋調査士が、遺産分割協議書により表題登記を行ったのち、司法書士が権利登記を済ませて業務終了となりました。

コメント

今回の件は司法書士のミスでしたが、遺言書作成に不慣れな行政書士や司法書士、弁護士が関わった遺言書では、このミスはよくあります。以前にも同様のミスを何度か処理したことがあります。

個人的には作成に関わった専門家の責任問題だと思いますが、遺言に全財産を書かなければならない決まりはないので法律上間違っているわけではありません。そのため損害賠償を求めるのは難しいと思われます。

ただどうすればいいか分からず悩んでいた建物を無事処理することができて、Aさんも喜んでくれ、こちらも本当に嬉しく思いました。

Aさんからの感謝の声はこちら

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